ゲーム制作・仙台を拠点とするピクセルは、2025年5月18日に宮城県仙台市の太白区文化センターにて「インディゲームマーケット5」を開催しました。
イベントではインディーゲームを中心に、さまざまな作品の展示や試遊、物販のほかトークショーやミニライブなども行われていました。入場無料イベントということもあってか、非常に多彩な層のお客さんがイベントへと参加していて、閉会まで会場は大盛り上がりでした。
本稿では、東北開催のゲームイベント「インディゲームマーケット5」の会場レポートを紹介。気になるブースなど、さまざまな楽しい雰囲気をお伝えしていきたいと思います!

開幕から行列も!
今回「インディゲームマーケット5」が開催されたのは、宮城県の仙台駅から数駅の長町。かつては奥州街道の宿場町として栄えた歴史を持ち、現在もショッピングモールやIKEAなどの施設が立ち並ぶ地域です。イベントが開催されるのは駅から眼の前の太白区文化センターです。近くて嬉しい。
開場およそ10分前くらいにイベント開場へ行ってみると、早くも20人ほどの人々が並んでいました。そして11時にいよいよ「インディゲームマーケット5」が開幕、早くも試遊や物販を楽しんでいる人、出展者と会話している人など、それぞれが思い思いの時間と空間を楽しんでいました。


今回イベントには30を超える出展があり、中には『アパシー』シリーズなどのパブリッシングを行っているメビウス、ゲーム関連アイテムの販売・買取だけでなくゲーム開発も行うBEEP、『トラブル☆ウィッチーズ』シリーズの開発を手がけるスタジオシエスタといったところの出展もありました。
その他にも現在開発中のゲームを展示していたり、どこか懐かしい感じのグッズや色紙を販売していたりと、実に個性豊かな出展ブースが立ち並んでいました。その中でも、筆者が気になったブースをいくつか紹介していきます。


◆誰もが足を止める!徳積みクリッカー『仏陀摩真』

入場口からすぐ目の前、何やら光り輝くおめでたそうなブースが、iOS向けクリッカーアプリ『仏陀摩真(ブッダマシン)』を配信しているナンダコレさん。会場内で誰もが足を止めずにいられないような、実に印象的なブースです。
『仏陀摩真』は画面をタップすることで「徳」を積んでいくクリッカーゲーム。パブリックドメインの仏像や現代音楽アレンジしたお経を楽しみながら、施設を購入してどんどん自動的に「徳」を積む作品で、マニ車も登場します。会場では、木魚が専用デバイスとして置かれていました。


本作は元々中国発で流行した、念仏を流す機械「念仏機(ブッダマシン)」が好きで、モバイルアプリで同じようなものがなかったことで「作ろう!」と思ったのがきっかけのようです。
実際に遊んでみましたが、メロディスティックメタルやミクスチャ―ロックなどにアレンジされたお経を聞きながら木魚と叩くのがなんとも気持ちいい……!遊んでいる人々が間違いなく笑顔になっているのも印象的でした。ちなみにBGMは公式YouTubeチャンネルで公開されています。


◆自在にゲームにModを置いていく『ReMod』
続いて紹介したいのが、学生ゲーム開発者のanoho氏が開発しているUnreal Engine向けのMod導入システム『ReMod』。これはキャラクターやマップ、ゲームルールといったModをゲームに追加していくことで、色々な内容にカスタマイズできるというものです。会場ではシステム自体の紹介とともに、実際に遊べるゲームの一例として、マップ内を移動して隠されているリングを取るというゲームがプレイ可能でした。


anoho氏によると『ReMod』を利用して作成したゲームに、さらにユーザーが好きなModを追加することも可能。Mod自体の発想によってはPvPのゲームや2Dローグライクなども作れるかも知れないということでした。『ReMod』はanoho氏が通っている大学の、大学院修士課程で製作しているシステム。今後は何かしらの形で公開を目指していければ、という考えもあるようです。

◆雰囲気抜群のアドベンチャー『Road Trip Until Dusk』
ゲームやTRPGシナリオ、小説などを制作するRainship1920が出展していた『Road Trip Until Dusk』は、3DCGモデルの人物と台詞劇を組み合わせたノベル作品。今回の展示では、ゲームの冒頭に該当するシーンをプレイすることができました。
深夜のレストランで会話する2人の人物の会話では、それぞれの考えや他愛もないようなやり取りが繰り広げられています。キャラクターのセリフが終わった後には自身でマウスクリックをする必要があり、途中には選択肢も出てくるなど、純粋な読み物ではなく、しっかりとしたアドベンチャーゲームです。世界観やキャラクターの会話の間など、とても雰囲気のいい作品です。



Rainship1920では試遊できた『Road Trip Until Dusk』だけでなく、PC向け書類作成シミュレーション『Prequel』も現在公開を目指して開発しているようです。また、公式サイトではこれまで手掛けた作品等も紹介されています。
◆秋田が舞台の恋愛ADV『さくらいろテトラプリズム』

ゲーム制作チーム「blooming spectrum(ブルーミング・スペクトル)」が手がける恋愛アドベンチャーゲーム『さくらいろテトラプリズム』は、東北の秋田県が舞台。2023年に発売された『さくらいろプリズム』の続編タイトルで、神奈川県のとある高校の写真部メンバーが、半年間秋田県へ国内留学する物語が描かれます。
東北開催のイベントで秋田県を舞台にしたゲームが登場するというのはやはり嬉しいもの。2025年4月に埼玉・川越市で開催された「ぶらり川越 GAME DIGG」にも参加するなどイベントにも積極的で、今回ついに東北イベントにも登場したということです。ブースに置かれていた原画集では、仙台駅や秋田の「なまはげ」など、東北の風景を楽しめました。




次ページでは、イベント中に開催されたミニライブの様子や、お宝満載の出展などを紹介。「インディゲームマーケット5」まだまだ盛り上がりますよ!